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Vol.31 「僕らの闘う理由」2年 高橋謙太郎

どうもお久しぶりです。

蹴球部が誇る人気ブロガー(笑)の陸也君より紹介を受けました、新入生紹介以来2度目の部員ブログ登場になります、生涯スポーツコース2年の高橋謙太郎です。

紹介では圧倒的な気持ち悪さと好感度の低さとありますが、一定層のコアなファンから根強い支持は受けています。なんと形容すれば良いでしょうか…。一度ハマるとクセになる気持ち悪さです、ブルーチーズみたいな感じです。

話は変わりますが、それにしても部員ブログっていいですよね。

「あいつこんなこと考えてんのや!」という意外性もあれば、

「良い事言うな~。」と感心することもある。

とにかくどの文章も1人1人の「らしさ」が出ていてどれも読んでいて楽しいです。

最近、言語化やアウトプットが注目され、個人ブログを開設する人が大学サッカー界でも増えています。

「やってみたいな、いいな」と思いながら読んだりするのですが、私自身、心の内を外に発信することが苦手です。特にネガティヴな面を。一人の人間として強くありたいという強がりが時に心を閉ざしてしまいます。さらに批判を受けやすい体質が故に、私が何を書いたところで「うるさい」と言われて終わりなのかなと思ってしまい、何度TwitterやInstagramを投稿しかけてやめたことでしょう。

今回はせっかく部内の個人ブログの先駆者(笑)である陸也君から機会を頂いたので普段閉ざした扉を少し開き、私を発信してみたいと思います。


何について話そうか深く考えたのですが、自分自身の過去のことについて話します。



今でもあの日のことを思い出します。私にとって無視することのできない過去です。


クリアボールを再び前線に送り込もうとした瞬間、笛が鳴りました。

ミートせず訳の分からない方向に跳んだボールは、まるでこの試合の私たちのようでした。


スタンドを見上げた。

ついこの間まで「早く引退させろや。」「負けてまえ。」

そう言っていたはずのやつらが泣いていました。

最後に敗れたのは1998年。私たちが産まれた年でした。

まるで最初からそう決まっていたかのような高校サッカーの終わり。


「お前らに十字架を背負わせることになってしまった。」


あの日、敗れた私たちにコーチはそう言いました。

18歳の高校生が背負っていくにはあまりにも大きい十字架。

どこへいっても、いつになっても十字架は私から離れることはありません。


私は一時サッカーから離れました。

大学サッカーに向けてサッカーは続けなければならないはずでした。

全国へ連れて行ってやれなかった後輩への負い目。そして、負けたことで燃え尽きてしまった自分がいました。これまでのサッカー人生最大の挫折に対し、強く立ち向かうことをせずに、目を背けることを選びました。以降、練習に混ざることはありませんでした。

王座奪還を掲げ、試合後すぐに始動した後輩たちを横目に足早に帰宅する日々。

空っぽな毎日を遊びや何かで紛らわす、すり減った心の充電期間でした。


年末年始も初めて実家で過ごしました。

初めは見ないつもりでしたが、どうしても気になって見てしまいました。

テレビに映る同世代が羨ましかった。改めて「負けたんだな」と実感しました。

青森山田の優勝を見届け、胸の内に燻ぶったモノを感じました。


「またやんなきゃな。」

時間がたち、やっと背負ったモノと向き合うことが始まりました。


学芸での新生活がスタートし、久々にゴールマウスに立った。

うまくいかないのは必然でした。

技術的にも、身体的にも物凄く衰えていました。

思うような動きができず、スタートダッシュは失敗しました。

約3か月のブランクは予想していたよりも大きく、倍近くの時間をかけてコンディションを整えた頃には私のプレーに対する印象は固まってしまい、信頼はそこにはありませんでした。

「あの時踏みとどまってサッカーを続けることを選べていたら。」と、一時サッカーから離れたことをとても悔いました。

2年間で関東リーグの出場は2試合に留まりました。

しかも、その2試合はマコ君(4年木村)が教育実習とケガでチームを離れた時期の試合でした。

そのチャンスもろくに活かせないまま、新チームになり、ポジションを得ました。

順番を待った、回ってきたみたいに思えてしまったことも周囲から思われることも悔しかったです。


少々振り返ってみても、悔しさや不甲斐なさで溢れているここまでの大学サッカー。

十字架はいろんなことを私に突き付け、気づかせてきました。

伝統を途絶えさせたことに対する厳しい視線や、サッカーから逃げた自分の弱さなど、敗戦の事実以外にも多くありました。

このままでは負け続けです。残りの2年間で取り返さなければなりません。

このままじゃ終わらない。当たり前のことです。


「同学年のやつらに夢を見せたること。あいつと一緒にプレーしてたんやって思わせること。」

高校サッカーを引退するとき、偉大な先輩から頂いて以来、胸に留めている言葉です。

今年応援のみんなから貰ったチャントにもこんなフレーズがあります。

「俺らの誇り、代わりはいない、お前がイチバン」

もったいないくらいかっこいいフレーズですよね。

歌ってもらうたびに元気が出ますし、頑張れます。応援に支えられていると実感する瞬間です。

そんな、みんなに夢を見させるために、代わりのいないみんなの誇りであるために、私は闘いたいと思い続けています。

そう、私の闘う理由です。


次回は、1年川島孝介です。何故か毎日のように帽子を被っている彼は、普段帽子の内側にどんな想いを隠しているのか、非常に気になるところですね。乞うご期待です。



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