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Vol.113「弱い自分に打ち克て」2年 鈴木魁人

日頃から暖かいご支援、ご声援をいただき、心より感謝申し上げます。


2年E類生涯スポーツコースの鈴木魁人です。

出身は静岡県で、高校時代は清水エスパルスユースに所属していました。


先日、清水エスパルスユース会、半谷陽介君とご飯に行く機会がありました。大学でサッカーをしている人、プロサッカー選手の道に進んだ人、海外という新たな場所でサッカーをしている人など様々な環境で生活をしている方々と話す機会がありました。普段は自分が所属している組織の事しか分かりません。他の組織の話を聞く機会は珍しく、貴重な時間になりました。これからもこのような繋がりを続けていきたいと感じております。


さて、皆さんは三年生や二年生のブログを読んでいただけましたか?私は全て読んでいます。どのブログにも個性があって、一人一人サッカーや蹴球部に対する熱い想いを持っていることが文章から伝わってきます。皆さんもまだ読んでいないブログがありましたら是非とも一度読んでもらいたいと思います。読むことによって改めて自分を、環境を見つめ直す事が出来ると私は思います。私のブログもみんなの様にサッカーに対する熱い想い、そして東京学芸大学の良さが読んでくれている方々に伝わるように書こうとしていました。しかし、今シーズンを振り返ってみると自分の情けなさ、悔しさという感情しか湧き上がりませんでした。この様な思いを未来永劫しない為に、また降格といった辛い経験を二度と繰り返さない為にもこの部員ブログはこれからの自分に向けて書き綴りたいと思います。大変身勝手ではございますが、ご理解いただけると幸いです。

それでは本題に移ります。


「3」


私はこの数字が嫌いだ。この数字は私にとって深い意味がある様な気がする。高校1年時公式戦3得点、高校2年時リーグ戦3得点、クラブユース3得点、高校3年時リーグ前期3得点、後期3得点、U-20全日本選抜テベック国際サッカー大会3得点、昨季のリーグ戦3得点そして昨季の公式戦勝利数3試合。


全く関係のない事なんだろうけど自分にとってはすごく意味がある様に感じる数字だ。「3の壁」というものが自分の中で存在している気がしてしまう。今までにシーズンを通して公式戦を3試合しか勝てないシーズンを送ったことはなかった。中学・高校時代は勝つ事が当たり前だった。負けたらとことん怒られたし、自分自身すごく落ち込んでいた。大学に入って負ける事が増えてしまい、負ける事に慣れている自分がいた。そんなんじゃダメだ。ムキになれ。負けず嫌いだろ。もっと目の前の試合に対し全力を注げ。エゴイストであれ。試合に出たいと強く願っても出れない人がいるんだぞ。負ける事に慣れてはいけない。1つ1つの試合に対してどれだけの人が支援、応援しているか考えろ。


裕二郎君や海里君は怪我で試合に出たくても出れない時、下を向いていたか?チームの為に声をかけ続けていただろ。ピッチ外でも戦ってくれている人がいる。その人達の分も背負って戦え。このような素晴らしい先輩方に去年の結果の責任を感じさせてしまった事が本当に悔しい。不甲斐なさしかない。


昨年一年を振り返って改めて学芸大学の応援は本当に素晴らしいものだとつくづく感じる。試合前のアップから全員が集まって応援をする。少人数と感じさせない声量。会場が遠方で公式戦メンバーがバス移動を行うと、バス待ちまでしてくれる。こんな大学のチーム全国にあるだろうか。学芸大学の応援を胸を張って日本一だと自慢出来る。


その他にも集中応援の為に多くのイベントを考えていたり、「学芸ブランド」を確立する為に多くの人が動いている。この部員ブログもそうだ。主に三年生の働きによって実現されている。果たして自分はそれに応えられる様なプレー、働きを行えていただろうか。行えていないの一択だ。情けない。


あるOBの方が「サークルみたいなことをしてるから…」という事を去年の幹部の人に言っていた。こんなに一生懸命学芸大学の為に働いている人がいるのになんでそんなことを言われてしまうんだ。試合前アップからメンバーの名前を叫んで応援して、試合の時には声が枯れるぐらいの声量で応援してくれる人達や、少しでも東京学芸大学蹴球部を知ってもらうために広報や多方面から企画を模索して尽力してくれる人達が本当にサークルの様に見えるのだろうか?私はそう思った。でも答えは簡単だろう。結果が出ていないから。これが全てだと思う。チーム自体が強く無かったらどんなに素晴らしい企画をしても気にもならないだろう。一部昇格が出来ていたら、こんな発言をされていなかったと思う。


時に人の頑張りは、まわりの目が届かない場所での働きがある。試合に出たくても出れない選手や悔しいけど応援に回ってくれている選手。OBの方々や遠くまで試合を見にきてくれる家族。この様な人達が自分を、このチームを支えているという事を絶対に忘れてはいけない。


静岡から試合を見るためだけに来てくれる家族。負けが続いて、勝てていない時も見に来てくれる。試合が終わり、車で送ってもらうといつも「なんで点を決めないの?」とか「全然動けてないじゃん。もっと走らないと。」って怒られる。この時は、自分も負けて苛立ってることもあり、言い返すことや無視することが多々あった。でも、これが他者から見たその試合の私への評価なんだと思う。突きつけられた現実に対して、自分が良い様に解釈して逃げていた。自分の力不足を認めたくなかった。プライドが邪魔していた。


そんなださいプライドなんかいらない。


私はみんなの様に頭も良くなければ、目に見えない所での活動などでチームに貢献できる人間ではない。だからこそピッチの上で躍動する必要がある。チームを勝たせる為に全力を尽くす必要がある。蹴球部の中から選ばれて試合に出てることの責任と覚悟を持って戦い抜く。例えそれが負けていて辛い試合でも試合終了の笛が鳴るまで走り続けなければならない。「 東京学芸大学蹴球部」という看板を背負っているから。そしてそれが試合に出る人の使命なのだから。


確実に勝てる試合なんて1つもない。逆を言えば確実に負ける試合もない。勝負は試合が終わるまで誰にもわからない。だからこそ日々の練習を、今この瞬間を無駄にしない。少しずつ少しずつ地道でもいい。勝てる確率を1%でも上げていこう。これが勝利への1番の近道だ。


それを踏まえて今の練習はどうだ。100%やれているか?誰よりも早く準備しているか?遅くまで残って課題を克服しようと自主練しているか?


練習中に自分の思い通りのプレーが出来ないことがある。様々な理由があると思う。技術ミス。判断ミス。連携ミス。連携でのミスを全部相手のせいにしてないか?相手が思うように動いてくれなくてボールロストをしてしまったなら自分の判断ミスであるし、自分がそのプレーをしたいなら声を掛けて周りを反応させればいい。ミスして1人でイライラして周りが見えなくなる。私の悪いところだ。相手に何かを言う前に自分から変えていけ。上手くいかないことなんて多くある。それがサッカーだ。勝手に自分の中で答えを出して終わるな。周りに共有しろ。自分が考えてることなんて自分以外わからないし、相手が何考えてるかもわからない。せっかく多方面からの選手がいるんだからもっとピッチ内外でコミュニケーションを増やしていこう。色々な意見を聞ければ、また違った視点で物事を見れるようになるだろう。そして、次第と考えも合ってくるだろう。


私は弱い人間だ。正直、降格という経験から一度目標を見失いかけた。「自分には無理だ。諦めよう。」こんな感情がその日の夜、自分を襲い続けた。サッカーを行うことが怖かった。プロサッカー選手を目指してるなんて恥ずかしくて言えないって思った。こんな絶望の中にいた自分を助けてくれたのは同期だった。将が、ラインで長文の想いを伝えてくれた。一度消えかけた火はこのお陰で今も消えていない。「もう一度頑張ろう。今やれることを全力でやってダメだったら、またその時考えよう。」このように思考を変えることが出来た。将だけでない。この仲間がいるからこそ頑張れる。本当に感謝の気持ちしかない。ありがとう。


「最高の仲間と最幸の景色を見よう。」あの日に誓った私の中の目標だ。


こんな情けないシーズンを送っている間に高校時代の仲間はプロで活躍していたり、全日本大学選抜に選ばれ続けている。どんどん差が開いてる。悔しくないのか俺。人のせいにするな。自分を見つめろ。プロサッカー選手になりたいんだろ。今のままじゃ絶対なれない。行動、考え方を変えろ。工夫しろ。ずる賢く判断しろ。持ち味はなんだ。チームのために走ること、点を決めることだろ。ベストを尽くせ。大丈夫。もっと出来る。自信を持て。失うものは何も無い。弱虫な自分を変えていけ。見返してやろう。このブログを読んでいる全員を。


今季も東京学芸大学蹴球部をよろしくお願いします。

鈴木 魁人



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