卒業Diary.19 柴田将磨
平素は東京学芸大学蹴球部を支援・応援していただき誠にありがとうございます。
本日の立教大学戦の結果を受け、ダイアリーを一部訂正させていただいています。
これまで東京都リーグに降格するということは1度もない中で、関東2部からカテゴリーを落としてしまう結果になったことは、4年蹴球部員として申し訳ない気持ちでいっぱいです。ここまで東京学芸大学蹴球部の礎を築いてくださった方々や遠方の会場まで足を運び応援してくださった方々にとっても苦しい結果ですが、まだ最終節を控えています。最後の1試合を決して無駄にすることなく、今季培ってきたものを出し尽くし勝利を掴むために戦う覚悟ですので、最後まで応援していただけると幸いです。
自己紹介が遅れました、今回卒業ダイアリーを担当します、A類環境教育選修4年の柴田将磨です。
さっそくですが、色白パーティーゴリラこと山中海斗からの質問に答えていきたいと思います。彼とはシャワー棟のロッカーが隣で、すれ違い際に舌打ちをしてはニヤニヤしながら「なんやねん」と言われるという不思議な関係にあります。僕からは何もしません、そう彼は人懐っこいゴリラなのです。
Q1:彼女の好きなとこどこなん?
A:彼女の好きなところは、笑顔が可愛いところです。内面的なところだと、とても勉強熱心で最近はTOEICの勉強を頑張っているところが素敵だと思います。好きなところを聞かれると難しいのでパッと思い浮かんだもの二つで勘弁してください。
Q2:しょうみ俺の事どう思ってるん?
A:ヤメとは、入部してからすぐBチームで活動を共にし、Iリーグにも数試合一緒に出た仲です。前述した通り、最近はすごく人懐っこいです。そして、とても男前です。ただ、同期の中で唯一私生活が読めない男です。何をしているのかわからない男。しかし、そんな彼からつい先日インスタグラムのフォローが来ました!嬉しい反面、彼の規模の大きさにビックリしてます…
今後は、ヤメのもう一つの主戦場であるパーティー会場に是非とも招待していただきたいと思います。
Q3:ショーマにとってドリブルとは?(プロフェッショナルに答えろ)
A:僕にとってドリブルは、僕をここまで成長させてくれたものです。幼稚園の頃から、2リットルのペットボトルに水を入れて並べて自主練していました。6年生の誕生日の時には、コーチから赤コーンを6本プレゼントしてもらった思い出があります。足の速くない自分がサッカーを楽しむためには、サッカーの世界で生きるためには、ドリブルを磨く他なかったかなと思います。
ドリブルは僕を僕で在らしめるものです。とてもありがたいです。しかし、開幕前に持ち味は?との質問で「ドリとブル」と書いて大スベりしました。おいドリブルよ、18年の仲でそりゃないぜ。
ではここから本題に入ります。同期の中のランキングで「話が長くて結局何が言いたいかわからないNo.1」というのがありましたが、おそらく僕か最上の為の項目だと思うほどの話下手です。予めご了承ください。
僕が伝えたいのは「信頼を得る」ということに関する話です。主に最後の1年間での出来事を通して思ったことを書きたいと思います。
新しいシーズンが始まり、2月頃の東洋大学とのTMで運よく先発のメンバーに入ったその試合で桐田さんに言われた言葉が今でも忘れられません。
「そのプレーをしていたら信頼なくすよ。」
指摘されたのはある一つのプレーに関してですが、確かにその通りでした。先ほど「運よく」と言いましたが、例えそうだとしてもほんの小さな信頼を、自分の手で掴んで大きくしなきゃいけなかった場面で僕は掴み損ねた、それを教えてもらった始動当初でした。
話は少し変わりますが、僕が大学でサッカーを続けたのは、高校時代活躍していた仲間と同じピッチで戦いたいというとても私的な目標があったからです。より上手くなりたいという一心で静岡にサッカーを挑戦しに行きましたが、一度もトップチームに上がることすらできずに高校サッカーを引退しました。大学が本気でサッカーに取り組む最後の時間だと覚悟し、自分が感じている過去の負い目を払拭する為にもこの目標を設定しました。
その目標は関東リーグ後期拓殖大学戦で、ほんの数分間でしたが実現しました。
目標達成というほど大それたことではないし、拓大の同期の3選手が常に主力として試合に出場し続ける一方で、僕は鈴木魁人(2年)の負傷により「運よく」10分ほど出番をもらった、という関係です。対等な関係で試合ができたら一番良かったです。
そしてこの試合は、目標を達成した試合であるのと同時に、4年間の中で最も悔しい試合となりました。
出場10分弱の中で、再び「運よく」訪れたチャンスを、キーパーとの1対1を決めていれば、信頼を得られていたし、勝ち点1を手に入れられていました。この試合で、僕は何も得ることは出来なかった。
このダイアリーを書き始めてからも、つい先日練習中の決定機を外しました。江口(4年)には、こういうチャンスを外す度に「そういうところ決めてたらな~」と言われます。自分でもそれはわかっています。でもわかってるだけじゃダメなんだ。当たり前にそういうチャンスを決められるくらいにならないと、また同じようなチャンスが来た時に、同じ悔しさを味わうことになる。同じ悔しさじゃない、きっともっと悔しい思いをする。こんな簡単なことに気付くのが遅くなってしまい、僕に残された時間はあと1週間となりました。この1週間、わずかなチャンスでもモノにできるよう過ごしたいと思います。
しかし、このような機会に大学サッカーを振り返ってみると自分の後悔や不甲斐なさに気付く一方で、他の選手たちに対して改めて尊敬の念を抱きます。
1週間介護等体験で練習出られなかったのに、試合で2点決める荒川。(後期産業能率大学戦)
右足おもちゃなのに大事な場面で、右足で決勝弾決める鈴木魁人。(後期国士舘大学戦)
とか挙げればきりがないですが、この2試合の共通点はわかりますか?
結構最近の話だからみんなの記憶に残っているというのもあると思うけれど、この2試合は勝った時の得点、決勝ゴールです。
個人的な思い出は、悔しいときのことも覚えているかもしれないけれど、他の人のゴールで覚えていやすいのは、強烈なインパクトのある時や嬉しい感情と結びついている時のものだと思います。
ゴールを決めた本人だけじゃなく、応援してくれている仲間や保護者の方、チームに関わる全ての人を笑顔にするには、結局誰かがゴールを決めて勝つしかないのです。
関東リーグの出場は2試合で、出場時間は合計しても20分にも満たない僕が言うにはあまりに影響力がないし言える立場ではないけれど、「ゴールを決めてチームを勝たせる」という強い想いをもっと早い段階から行動で示すことが必要だったと思います。
話が飛びましたが、とても生意気な(もはや僕の事を先輩と思ってない)後輩たちは実に信頼を得ていて、練習の時も試合の時も上手いな~と思っています。今後も楽しみだし、まだくすぶっている選手たちにも期待しています。
蹴球部の部員には人それぞれ目標があると思います。
「プロになりたい」「関東リーグに出たい」「Iリーグに出て点を決めたい」「選手を支えたい」「応援される部活にしたい」
上から言える立場ではありませんが、その目標や夢を実現したいならば信頼を得てください。これは個人として、一人の人間として、信頼を得てほしいという事です。プロになるにはスカウトからの信頼を、試合に出るには監督やスタッフからの信頼を得る必要があります。勿論、部を代表して試合に出るのだから、応援の選手からも「こいつに任せたい、こいつならやってくれる」と信頼されることも必要だと思います。こんな単純な話ではないかもしれませんが、全ての目標に信頼というものは付き物です。
ただ「信頼」は一度のチャンスで得られる時もあれば、地道に積み重ねなければ得られない時もあります。また、一瞬で失う時もあれば、そうでない時もあるというすごく難しいものです。
それでも、試合に出続ける人はどこかのタイミングでチャンスを掴み必ず信頼を得ています。僕にはそれが出来ませんでした。
出来なかったから、何度も拓殖大学戦の決定機を鮮明に思い出すのです。
チャンスはいくらでも転がっている、練習場にも公式戦のピッチにも。掴めるかどうか。
でも突然やってきたり、知らん顔してやってきたりします。チャンスだと気づいたときには既に手遅れなこともあります。
だから、掴む為の準備をしてください。
自問自答してください。「準備はできているのか」と。「おれは試合に出たとしてやれるのか?」そんな風に思うこともきっとあります。それならそんな自分と向き合って、もう一回練習から変えていって納得するまで自主練でもなんでもすればいい。最後に信頼を得ればいい。
試合に出ることでしかそういうのは経験できないから、ライバルと切磋琢磨してほしいと思います。
また、集団としても信頼を得てほしいというのが、大好きな蹴球部に願うことです。
先日の関東学院大学戦の後に、審判団に「ナイスジャッジ!」と声を掛け拍手を送れる、そういう集団であることが誇らしいです。
監督だけでなく、応援に来ていただいている保護者の方や、審判の方、他大学の方からも信頼を得られる集団であり続けてほしいと思います。
しかし、雄大(4年村田)が東海大学戦後に言ったように、熱い気持ちの中に冷静さを持たないと、この集団の良さは間違って捉えられることもあります。
良いときもあれば悪い時ももちろんあるけれど、その行動一つ一つが誇れるものであるかと考えてみてください。
この熱い気持ちを持った集団のサッカーを一人でも多くの人に見に来てもらうには、そこを突き詰めるしかないと思います。
では、最後にこの場をお借りして感謝の気持ちを伝えさせて頂きたいと思います。
檜山監督や桐田さん、南コーチ、炭谷コーチ、出口コーチ
様々な戦術や色々な形のサッカーがあることを教えていただき、大学サッカー生活がとても学びの多いものになりました。
特に檜山監督には、夏にトップチームからBチームに落ちトラムカップ後に再び上げてもらった際に「合宿でも特に結果を出していないのに僕が上がるべきではないと思う」と生意気に意見をしました。正直本気で思っていたし、客観的に見てもそうだったと思います。しかし、「あなたが決めることではない」とキッパリ言われました。今思うと、それがなければ、高校時代と同じ悔いを残していたと思います。未熟な自分に対して、行くべき道を与えていただきありがとうございました。
先輩方
遅刻やミスなど、サッカー以外のところでチームに迷惑をかけてしまっていた時期にサッカーに対しての真摯な姿勢を教えて頂き、今の自分がいます。入学前からお世話になったみね君や公私でお世話になりアニキと慕う澤野君をはじめとする先輩方、色んな先輩像を見てきたおかげで、今年は最高学年として少しは振舞えたと思います。ありがとうございました。また、これまで関東2部リーグという舞台を当たり前のように用意してくださり、ありがとうございました。自分たちの手で2部に復帰させることは叶いませんが、これからも応援宜しくお願い致します。
蹴球部のみんな
後輩たち
先輩としての威厳というものは僕にはあまり出せないので、みんな友達だと思って接していました。本当に尊敬できる後輩ばかりだし、それぞれ良い武器を持っていると思います。ここでは誰にも負けない、と言えるくらいまで磨いてください。
主力として戦う後輩が多かっただけに降格という結果に対して、責任を感じる様な性格の人が多いと思うので言います。責任は大いに感じてくれていいです。その責任感の強さには口の出しようがありません。それが先発として出ている選手の宿命でもあると思います。けれど、「自分のせいで」とかっていうような悲観は、最終節を控えるこのチームには適さない。だからこの悔しさを噛みしめて戦いましょう。
みんな期待していますが、一人だけ。
井原、君はこのダイアリーを書く上で、僕がなれなかったもう一人の自分を投影したような人です。信頼の無いところから地道に信頼を築き上げ、チャンスを掴み、信頼をより強固なものにした。だから関東リーグでは、期待を込めて毎試合声をかけています。最高学年としてチームを引っ張っていく姿を期待していますが、まずは最終節でその姿勢を見せてください。勿論先発が確約されているわけではないので、今週1週間共に頑張ろう。
同期
お互い切磋琢磨できる関係を築けて良かったです。みんなのサッカーに対する熱い気持ちに触発され、目標をぶらすことなく4年間やってこられました。僕にとっては、サッカーを本気ですることも大学で最後なので、その最後の4年間をみんなと過ごすことができて良かったです。それぞれの道で活躍することを願っています。
正直言うと、当たりが強いなと思うこともありました。キャラ的にしょうがないけれど。でも厳しいことを言われる分だけ、謙虚に、驕らずに、サッカーと向き合うことも出来ました。みんなと自分のキャラに感謝ですね。
あと、初出場の時は緊張であまり覚えてないけれど、2度目の関東リーグ出場となった拓殖大学戦は、応援の声がとても背中を押してくれました。何でもできそうな気持ちにさせてくれました。特に同期の声が聞こえたよ。ありがとう。
今日の締めの言葉で桐田さんに「勝たせてあげられなくて申し訳ない。」と言わせてしまったことが僕は悔しい。悔しいのに試合にも出られずベンチから声を出すことしか出来なかったのも悔しい。だから最後は、残り1週間で4年としてできる限りの事をし尽くしましょう。
家族への気持ちは、最終節が終わったら必ず伝えます。期待してくれていたら、ごめんなさい。
恥ずかしいわけではありません。
それでは最後に、薬袋和輝君への質問をしていきます。マネージャー陣の中で、圧倒的人気を誇る薬袋くん。ピッチでは推進力のあるドリブルとパンチのあるシュートでチームに流れをもたらし、私生活では持ち前の優しさで年下の彼女に安心を与えているのかもしれませんが、彼女関係の質問は事前にストップがかかっているので真面目な質問をします。
Q1:「薬袋、仕事しろ!」と同期からよく言われていますが、どうして仕事しないんですか?
Q2:僕が関東リーグに出るかもしれなくて緊張していた時、LINEで「将磨なら大丈夫!自信持て!」とメッセージをくれましたが、どうしてそんなに優しいんですか?
Q3:大きな怪我に苦しみながらも這い上がってきたという印象が強いですが、それを乗り越えて今何を思いますか?
以上で僕の卒業ダイアリーを終わらせていただきます。当たり前のことに何度も気づかされる4年間でしたが、この伝統ある蹴球部で過ごした4年間は今後も大切な財産です。まとまりのない稚拙な文章になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
東京学芸大学蹴球部の紫のユニホームは関東の舞台でこそ輝ける。そう言ってくれている人の為にも、全員で戦おう。
柴田将磨
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