卒業Diary.26 炭谷大
こんばんは!
本日、ダイアリーを担当します大学院修士課程2年の炭谷大と申します。今シーズンも学芸大学蹴球部をご支援いただきありがとうございます。
私は大学院の2年間、蹴球部のコーチングスタッフとして活動しておりました。選手時代の4年間も含めて、今年度が6年目となりましたが、ついに卒業となります。ブログ担当の選手がこのような機会を作ってくれたので、2度目の卒業ダイアリーを書かせていただきます。
まずは松本トレーナーからの質問に答えます!
①ダイナミックチェイサーこと炭谷大さん。この東京学芸大学蹴球部での6年間を通して、最もダイナミックチェイシングしたことはなんでしょうか?またチェイシングの結果、何を得る事ができたと思いますか?
①大生で勉強してた女の子にダイナミックチェイシングした結果、彼女ができました。
ダイナミックチェイサーというのは、私が選手の頃、スピードを生かして相手を追っかけまわして守備をしていたことから言われるようになった呼び名です。松本さんがチェイシングをどんな意味合いで言っているのか、考えれば考えるほどよく分からなかったのでふざけました。松本もそんな深く考えてないだろうし。
②「炭谷今日も勝つ」で有名な炭谷コーチ。コーチという立場から東京学芸大学蹴球部を「瞰(み)た」時、選手時代には瞰えなかった何かに気づいたとしたら、教えてもらえませんか?
② この質問のニュアンスとは少し異なってしまいますが、今回のダイアリーでは、指導者時代で新たにみえたものについて書くので、ぜひ後の文章を読んでいただけたらと思います。
また、「炭谷今日も勝つ」を毎試合歌ってくれてどうもありがとう!この歌本当に好きでした!とても幸せでした。本当にありがとう。
③AGAでお悩みのファンダイクンこと炭谷大君。来年25歳になりますね。僕も南コーチも来年26歳で、3人とも30歳がちらついてきました。20代のうちに「これだけは経験しておきたいこと」はなんですか?
③20代のうちにファンダイクみたいにポニーテールにできるくらい髪を伸ばしたいです。本当に切実に。。。
冗談です。髪の毛、いや体力があるうちにロンドンに行って、トッテナムの試合を生観戦したいです。
回答は以上です。松本さん、3年間ありがとうございました。松本さんの気取らず、陽気なところをとても尊敬していました。次のステージでもいいキャラ出して頑張ってください!
それではダイアリー本編に入ります。先述の通り、指導者経験から、選手時代にはあまりみえていなかったことについて書きます。サッカーについてです。
日々のトレーニングでのことです。トレーニングの人数が少ないとき、たまにゲームに混ざってプレーすることがあったのですが、ふと「あれ、俺現役時代よりサッカー上手くなってないか笑」と思うことが何度かありました。
少なくとも、ボールコントロールは現役時代同様‘ド’下手でしたし、フィジカル面では恐ろしいほどに衰えがありました。
それなのになぜか「上手くなっている」という思いがありました。Bチームの選手と比較をしたわけでもなく、自分の中に明らかな実感がありました。
理由を考えました。現役時代との違いはなんだろう。
間違いなく「上手くなっている」部分は、ボールを扱っているときではない部分です。ボールを扱っていないとき、プレイヤーは何をするべきか。
何をするべきか、、まずは「今、ピッチがどんな状況か」把握する必要がありますね。ボール、味方、相手、そして自分。細かくいえば、例えばボールに関しても(味方が保持していてフリーな状態か、いや相手からプレッシャーをかけられ奪われそうなのか、逆に相手がフリーで保持しているのか、ルーズボールなのかetc.)たくさんあります。相手に関してなら(今にも自分たちの背後に走ってくる準備をしているorしていない)など、またこれもたくさんあるでしょう。
そして次に、そんなピッチ上の多数の情報の中から、次のプレーでどんなことが起こるか予測をたて、自分のポジショニングを移動したり、準備をする。
文がくどいので具体例を出します。
「味方の炭谷大がボールを保持していて、相手のエンゴロカンテとファンダイクに囲まれている。多分いや絶対ボール取られるから、次自分が1stDFとしてディレイあるいはチャレンジできるようなポジショニングとろう」
だとか、「味方のメッシがボールを保持していて、相手の炭谷大と松本圭介に囲まれている。多分いや絶対ボール取られないし突破してくれるから相手の背後でボール受けれるように動き出す準備をしよう」とかです。
極端な例でしたが、こういうふうにサッカーではピッチ上の状況を把握し、起こりうることを予測して実行→また状況が変わる→予測して実行...このサイクルを「ゴールを奪う」そして「ゴールを守る」という目的のもと、90分間常に頭を使って体を動かさなければなりません。
「当たり前」なことですが。
恥ずかしながらはっきり言います。現役時代の私は、こんなことを常に考えてプレーしていることなんてまずあり得なかったです。ピッチ上の状況うんぬんかんぬんでなく、大して予測なんてしていなかったと思います。ボールと自分そして背後のスペースくらいの情報しか頭に入れてなかったと思います。ただ、ただただ足が速かったので、あまり予測してなくても出てきたボールに追いつけたり、予測してなくてもトップスピードでアプローチすればボールは奪えたりしました。勉強不足のなにものでもありません。
指導者になってからです。上記のことがみえてきたのは。勉強の賜物かもしれません。
指導者の2年間で、現役時代みえていなかったことを書きました。なぜこんな話をしたのか、それは今の選手たちの中で上記のことを常に考えてプレーしている人がどれだけいるのかなと思ったからです。
相手に自陣まで攻め込まれているときに、ハーフウェイ付近で残っているFW。次どんな配給が来そうか、そして相手より先にボールを支配するためにどこにポジショニングをとればよいのか、考えていますか?
逆に自分たちが押し込んでいるとき、DFラインでのリスクマネジメント。いかに相手にボールを受けさせないか、常に考えていますか?
逆サイドで味方がボールを保持している。明らかに相手の守備にハマっています。ただただ幅をとってる選手、奪われた後に急いで守備に戻ったりしていませんか?
明らかに味方ボールホルダーがボールを出せない状態なのに、自分が準備できてるだけで動き出したりしていませんか?
どんな状況でも少しボールが動けば、また状況は変わります。そのたびに予測してポジショニングを変えていますか?
「ボールを持っている時間よりもボールを持っていない時間の方が長い。だからボールがない時間で上手くスペースを埋めなければならない。つまり皆がボールを愛するこのゲームには、実はボールがないんだよ。」
シメオネ監督の言葉です。
ぜひ試合の映像を見てください。例えばピンチになったシーンを抜き出して、プレーが動くことに一旦、一旦止めて「そのとき自分がどんなことを予測してプレーをしようとしていたか」振り返ってみてください。何も考えていなければ次のプレーでどんなことが起こって、それに対応するためにどんなことをすればよかったか考えてみてください。その経験をどんどん増やしていってください。
あと、目的はぶらしてはいけません。原理原則もあります。そこは重要な判断基準となるので勉強しておきましょう。
サッカーは、スピード溢れるドリブル、豪快なシュート、繊細なパスなど人々を沸かすような要素がたくさんあります。私も大好きです。トッテナムの試合なんかそういうところばっかみて盛り上がっています。でもボールを持たないプレーの方がよっぽど多いのです。
サッカーは将棋に例えられたり、あるいは中世の兵法に通ずるものがあると言われていたりします。将棋も戦も、現有の戦力から先のことを読み合っていかに自分に有利な状態を導き出していくかが重要です。サッカーもそうです。頭を常に使いながら仲間と力を合わせて相手を負かす。これはこれで、とてもやりがいのあるスポーツだと思います。そしてそんな部分もとても楽しくないですか!
偉そうに色々と書きました。現役の選手のために何かきっかけが与えられたらいいなと思い、こんな当たり前なことを書きました。私も近い年齢で現役を経験したからこそ伝えられることである、と思ったので。分かっているけど、いざ試合になると判断できなくなってしまうって選手もいると思います。ぜひ映像をみて振り返りましょう。まずは自分のプレーをくまなく。チームが戦術的にどうかとかではなく、自分がプレー中、どんなときも常に目的のため予測判断しているかどうかを。きっと定着していきます。
また、ボールを持ってないときが大事だと書きましたが、結局ボールコントロールも間違いなく大切です。自分に必要なもの、チームに生かせそうなもの、たくさん練習しましょう。
最後に、私は2年間Bチームを指導したのでBチームの選手に一言。ぜひ自分の能力、またチームメイトの能力をしっかり見定めるようにしましょう。別に下手とか上手いとか言ってるのではなく、どんなことができるのかしっかりと見定めてお互い理解をしあって欲しいと思います。
はっきり言いますが、できることは限られています。でも限られていたとしても試合に勝つことはできます。良い集中ができたとき、皆の必死に泥臭くなれるところは本当に良い部分だし、見る人を熱くさせます。
あくなき向上心を持って、頑張ってください。
以上、2度目の卒業ダイアリーでした。蹴球部の皆、今までありがとう!
瀧井先生、檜山監督、桐田コーチ、そして多くの指導者の方、たくさん勉強をさせていただきました。ありがとうございました。
それでは南コーチへの質問をしたいと思います。南コーチとは6年間苦楽を共にしましたが、今回のダイアリーで、彼の現役時代について触れようかなとも思っていました。1年の頃からメンバーに絡み、直志は自分たちの代で一番公式戦に出場した選手でした。実直で自分のことをあまり話さない南コーチの凄さを書きたかったのですが、俺が書くと軽くなっちゃうのでやめました。ぜひ本人に聞きにいってください。彼もたくさん伝えたいことがあるのではないでしょうか。ちなみに卒業旅行を誘ったら断られてしまいました。今度、飲みに行きましょうね。はい質問です!
Q1 学芸大の6年間で印象に残っている試合、たくさんあると思いますが、その中で1試合選んで印象に残っている理由とともに教えてください!
Q2 好きなサッカーのプロクラブを好きな理由とともに教えてください!
Q3 彼女の好きなところを教えてください。死ぬほど惚気てください。
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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