卒業Diary.9 渡辺隼斗
今回ダイアリーを担当させていただきます。渡辺隼斗です。都立の雄、あの都立駒場高校出身、学芸の雄、あのA類環境教育選修所属です。最後までよろしくお願いします。
まず初めに、誰彼構わずツッコミまくり、メロディではなく「つっこめゴールへ」という歌詞からチャントが作られた男、柴田普天からの質問に答えます。
Q1.幼少期に「小平の至宝」と称されるほどの輝かしいサッカー人生を送ってきた隼斗が、大学サッカーで最も輝いた試合を教えてください。
A1.まず、質問文についてです。「小平の至宝」というのは、すごく嬉しいのですが、一回だけあるサイトにちょろっと書かれただけということと、小平という絶妙な規模の狭さが相まって、少し恥ずかしいです。あと、全体を振り返ると、「輝かしいサッカー人生」という感じでは決してないです。山あり谷ありでしたね。
大学時代のベストゲームは、四年生の時のアイリーグ後期成蹊大学戦です。0-2で敗れたゲームなので、これをベストゲームとしてあげるか迷ったのですが、この頃感じていた課題の突破口が見えた試合でしたので、このゲームを選びます。
あとは、僕がピッチで輝いた試合ではないですが、関東リーグ後期の産能大学戦は今も鮮明に覚えています。メンバーも応援も、冗談抜きで全員輝いていました。試合終了のホイッスルがなった瞬間、飛び上がるほど嬉しかった。自分が出られていない試合で、100%、心の底から勝利を喜べたはじめての試合でした。入学時は、こんなに熱くなれるなんて思ってなかった。遅すぎるかもしれませんが、こんなふうに感じられるようになったのは、この部活、この部員だったからです。みんなありがとう。
Q2.隼斗がハートを射止めた学科のマドンナは空手の達人だそうですね。たくさん惚気話を聞かせてもらいました。そんな彼女の好きなところはどこですか?巧みな表現力を存分に発揮してくれることを期待しています。
A2.この質問はすごく難しいです。何が難しいかというと、好きなところがありすぎて、短く答えるのが難しいです。が、頑張って一つに絞ります。
一言で言うと、優しさで溢れてるところです。「他者思い」が過ぎるので、彼女と一緒にいると、僕までいつもより優しくなれます。「喧嘩するほど仲がいい」なんていう言葉がありますが、僕たちは、一周回って、今までで、喧嘩らしい喧嘩は一度もしたことがありません。それは、完全に彼女のおかげです。いつもありがとう。
Q3.私たちの共通の話題と言えば、主務、おほしんたろう、耐え子、伊坂幸太郎のどれかでしたね。オススメの一コマまたは一冊を紹介してください。
A3.共通の話題に「主務」が入っているのにも関わらず、質問は「オススメの一コマまたは一冊」ということで、主務については答えられない仕組みになっていることが残念です。あと、4つしかない共通の話題に、耐え子とおほしんたろうが食い込んできてることも残念です。もっとあるだろ。
おほしんたろうは、声に出すタイプではなく、ニヤニヤするタイプの笑いを提供してくれます。その中から、おすすめの一コマは「じゃあ、いいじゃないか」「本当にギリで耐えてた人」です。検索すれば出てくるので、ぜひ見てみてください。きっとニヤニヤしちゃいます。ひろとみないと、おほしんたろうで盛り上がったのが懐かしいです。
以上、質問への回答でした。ここからが本題なので、ぜひ最後までお願いします。
最近、生きているとなかなか思うように行かないことも多いなあと思います。
10/11の練習で、僕は怪我をしてしまいました。前日までは教育実習に行っていました。早くサッカーがしたくてたまらない。サッカーしたい欲マックス。そんな、実習明け初日に怪我をしてしまいました。
この4年間、何度も何度も足首の怪我で離脱してきました。そんな僕の感覚からすると、まずい、今回は結構長そうだって思いました。その後、病院に行って、レントゲンをとり、自分の感覚が間違いじゃなかったことを知りました。腓骨の不全骨折。絶望的な気持ちになりました。骨折ってことはもう間に合わないんじゃないの。きっと、このまま引退なんだろうな。もっとみんなとサッカーがしたかったなあ。今が一番、サッカー楽しかったのになあ。と、かなりネガティブな気分になりました。
比喩とかではなく本当に毎日、公園や学校でボールを蹴った9小FCの時のこと、初めて試合に出られない経験をした久留米FCでのこと、めちゃくちゃキツかったけど頑張り抜いた駒場サッカー部でのこと。そして、なによりも、心底から大好きなこの学芸蹴球部でのこと。これまでのサッカーを通して味わった、楽しさや悔しさ、言葉では言い表せないくらいのたくさんの感情と出来事が一気に思い出されて、もうボールを蹴ることができないかもしれないと思うと、その日は涙が止まりませんでした。なんだかもう、勝手に目から水が出てくる。鼻からも水が出てくる。骨折だと知った日は、一睡もできない。自分でもはじめての、スーパーネガティブ状態に陥りました。
でも、その時、直前まで行っていた教育実習で、生徒たちに偉そうに話したことを思い出しました。そして、その内容を今こそ自分に言い聞かせました。生徒たちに話したことは、「物事の二面性」についてです。物事は見る角度によって、良くも悪くもなるということを話しました。
例えば、僕はサッカーを年中の時からずっと続けています。今年で18年目です。このことを初めて会った人に言うと、十中八九、「そんなに、一つのことをずっと続けられるなんて、すごいですね。」と言ってもらえます。そして、その後は、だいたいこんな感じに続きます。「私なんて、小学校の時はバスケ、中学の時はバレー、高校は帰宅部で勉強漬け、大学は音楽、何一つ続いたことがないんですよ。だから、本当にすごいと思います。」と。でも僕は、いや、それってめちゃくちゃすごくないか、と思うのです。バスケも、バレーも、勉強も、帰宅も、音楽も極めた、多彩なあなたは本当にすごい。何か一つに打ち込むことも、様々な分野で経験を積むことも、どちらも素晴らしくて、そこに優劣はない。それなのに、どうして、そんなに卑下してしまうのか。きっと隣の芝生は青く見えるのでしょう。
実際、僕自身、今日まで何度も、自分が持っていない仲間の能力を羨みました。自分ももっと身長があったらなとか、もっとスピードがあったらなとか。でも、少し見方を変えることができれば、そこに向き合って努力をすることができれば、自分家の芝生も青くなります。もちろん隣の芝生だって青い。そこら中が青々として綺麗な芝生なんです。
最近、僕はあるアプリにハマっています。それはネガティブな言葉をポジティブな言葉に変えてくれる、ネガポ辞典というものです。このアプリによると、「三日坊主」は「短期集中力という観点において、この坊主の右に出るものはいない」ですし、「雨でずぶ濡れ」は「憧れの人の傘に入る絶好の機会」です。
このように考えると、失敗も、コンプレックスも、苦手も、弱みも、存在しない。ネガティブなものは何もかも、見方を変えればポジティブな活力になる。というより、そういった、一見ネガティブなものに対して、視点変えた時、打ち破ろうと努力した時に、より強く、ポジティブなものは生まれるのだと感じています。4年間この部に身を置き、たくさんの仲間の姿を見てきて、そう思いました。だから、今回怪我をしたということは、決して悲観することではないのです。と、自分に言い聞かせたい。これを機に、もう一度サッカーと向き合い、フィジカル的にパワーアップします。
今度、ネガポ辞典の運営者に「最後の最後に骨折」を「自分史上最高の状態で復帰するための第一歩」として、投稿しておきます。
18年間のサッカー人生、終わりが直前となったこのタイミングで、自分の身体と真剣に向き合う機会を手にすることができて、良かったです。最高の状態で、最後までサッカーを楽しめるように、今は出来る限りの準備をします。
そして、多分この部活に関わっている人なら忘れもしない、関東リーグ前期、産能大学戦でのこと。大怪我をして、もう大学サッカーは絶望的になった仲間がいます。その時の気持ちは、僕たちの想像を絶するものでしょう。今回の経験を経て、あの時よりも強く、それを感じます。それでも、前向きにリハビリに励む姿を見て、奮い立たないわけがない。もし、最後、ピッチに立つことができたら、そんな仲間の思いも胸に戦いたいと思います。
今後、何か壁にぶつかった時は、180度視点を切り替えます。マイナスをマイナスで終わらせない。マイナスを力に変えていきます。このダイアリーをここまで読んでくださった方も、そんなふうに考えてくれたら嬉しいです。
最後に、同期、先輩後輩、スタッフ、トレーナー、マネージャー、学連、どんな時も支え続けてくれた家族への感謝を伝えます。関わってくださった、全ての人のおかげで、僕は今日までサッカーを楽しむことができました。本当にありがとうございます。
感謝の気持ちはやまないですが、溢れる思いをもっとここに綴れば、このダイアリーはいくらスクロールしても終わらないし、「ありがとうございました」と過去形で伝えれば、もう引退気分になってしまいます。ですので、もっときちんと感謝を伝えるのは、本当に全ての活動が終わってからに、持ち越させてください。僕たちには、まだ、サッカー人生の全てをぶつける、熱い試合が残っています。引退気分に浸るのはまだまだ早い。今日からもぜひ、よろしくお願いします。
次回は藤川永吉です。この一年、部の副主将として活躍してくれています。永吉とは、カテゴリーも大体同じ、バイトも同じで、結構話してきた方なのにも関わらず、知りたいことだらけで、質問がたくさん浮かんできました。その中から、厳選した、3つの質問をして終わります。
Q1.副主将として、この1年間、特に意識したことを教えてください。
Q2.サッカー部一の酒豪(そういうキャラなだけかもしれない、かかってこいや)として飲み会では様々な相手と戦いを繰り広げていましたが、自分の中でのベストゲームは何戦ですか?
Q3.なぜ母乳が出るのですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。トップもBもなかなか思うようにいかず、厳しい状況が続いています。でも、
だからこそ、ここは、一番成長できる機会です。部員一丸となって、最後まで、戦い抜きます。そして、今シーズン成し得なかった目標は、来シーズン以降ぜひ、達成してください。大好きなこのチームが、歓喜する姿を見たいです。これからも何かしらの形で、この部の力になれたら、こんなに嬉しいことはありません。僕は、この部活に入ってよかったです。
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